バレンタインデー
本場から見ると何かおかしいと思うことを、平気でやるのが今の日本人だ。そして、まあそんな固いことを言わないでと、言うのが今の日本人だ。
後10日もすれば、今や日本仏教徒のエベント化とした、あのバレンタインデーがやってくる。しかし、あのご利益なんぞはひとつも無い恵方巻きの食べ方じゃないが、どうせやるならそれなりのルールでやろうじゃないかと、つまらぬことをほざいてみた。
先ず、やはり女性から男性への愛の告白という大前提である。だから、あたり前だが、本当に好きになった人にチョコレートをあげるべきで、その気が全く無い義理チョコなんぞはするべきではない。ましてや、グループになって一人の男に渡すなんぞはもっての他、あくまで女対男一対一がベースである。そうなれば当然、愛が確定した夫婦間や恋人同士もご法度で、母親が息子へ、娘が父親へ、姉妹が兄弟へ、これらも全てご法度。大体が恋愛と肉親への愛情は全く別の代物、息子はチョコレートよりも、金の方が良いし、親父も酒の方が良いに決まっている。
渡すチョコレートも十分吟味したい。必ずしも超高価なチョコレートにする必要はないが、それなりに渡す側の気持ちが感ぜられるような物にしたい。手作りのチョコレートなら一番いいのだが、腕に自信が無いなら売っているものでもかまわない。だが、間違っても、幼児が喜ぶようなものを渡してはならない。チョコレートと一つといえど、自分のセンスが問われることを忘れてはならない。
渡す時も考慮したい。愛は密やかにでは無いが、愛を告白するのであるから、それなりの環境で、ごく自然に渡す方がいい。何も言わず渡すなり逃げ帰るなどは、恥じらいがあり初々しさがあっていいと思う馬鹿男もいるが、やはり相手の目を見ながら真剣に、「受け取って頂けますか」と、一言添えて渡すのが、告白らしくていい。
その時、微妙な空気が流れるかも知れないが、男の口から「ありがとう」の言葉が出れば、その場はそれでよい。 敢えて、「それであなたはどうなのよ?」なんてことを求めるような態度を見せてはいけない。逆の立場で考えて見れば分かる。男性から告白されたが、自分にはその気が無いとしても、やっぱり「ありがとう」が真っ先に口から出るだろう。
ルールの締めは渡した後だ。もちろん誰に渡したなどと他人に吹聴してはいけないし、仮に男性からその気が無いことを言われても、それをおもしろおかしく他人に話してはいけない。その男性が好きなのは自分だけとは限らない。また、二股三股をかけるなどはもっての他で、男は馬鹿が多いから、誰それに貰ったと仲間につい口をすべらせてしまう。俺も俺もとなれば、軽い女だと見られるのは必定だ。
とはいえ、最近はちょっと気が合えば、あっという間にベッドインが当たり前の世の中である。エッチがしたくてしたくてたまらないが、そんな機会に恵まれないなら、いっそのこと、チョコレートを渡せば、エッチのお願いをしていると置き換えれば、とても分かり易いかもね。