もし江戸時代に生まれていたら

新人物往来社の『大江戸役人役職読本』という本をご存知でしょうか、この本は江戸時代の役人役職がどんな仕事をしていたのか等を、詳しく解説している本ですが、この本を買おうと思ったのは、カバーの「時代小説がもっと面白くなる」というコピーと、帯の「将軍の右腕から幕府の007まで、花のお江戸をささえた、公務員たちのお仕事を完全解説!」という一文に惹かれたからです。

 

この時代小説の部分をテレビドラマの時代劇に置き換えてもいいわけで、うんなるほど!大岡越前守忠相〔ただすけ〕は、こんな風に出世して町奉行に昇り詰めたわけね、と納得出来るわけで、時代劇や時代小説が余り好きではない人でも、暇潰しに読むとけっこう間が持つのではないかと思います。

 

名前が出たついでに、大岡越前守忠相の出世過程を見てみますと、

 

 中級旗本の養父忠真〔ただざね〕の遺跡1920石を継ぎ、寄合入りし、書院番を 振り出しに、徒頭→使番→目付→山田奉行→普請奉行→町奉行、さらに寺社奉行か ら奏者番まで出世をしています。

 

また、この町奉行という役職は、テレビドラマでは裁く場面ばかりが強調されていますが、実際は多岐にわたっており、江戸府内の町人を支配して、町政担当する現代の東京都知事であると同時に、警視総監、東京消防庁の総監、東京地方検察庁の検事正、東京地方裁判所の所長などを兼任し、さらに幕府最高の審議機関である評定所の一員で、現代の最高裁判所の判事でもあったといいますから、凄すぎるの一言ですね。今時のどこかの知事さんとは大違いです。

 

さて、「もし私が江戸時代に生まれていたら」、ということを現実的な見方から考えますと、私の曽祖父は山間部の水呑百姓であったと父から聞いておりますから、その筋から追いますと、やはり百姓という身分でなかろうかと思います。その当時の百姓と言えば、詳しいことは分かりませんが、年貢納めに汲々とし、白米を食べれるのは年1度あるか無いかというような身分のようですから、大岡越前守とは一度も会うことも無く、生涯を終えることとなるでしょう。それどころか、「無礼者めが」と、どこかの侍に斬殺されているかも知れません。おお怖!

 

【バーゲンブック】  大江戸役人役職読本

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